整理整頓の勧め 2〈経営コンサルタント〉
前回は整理についてお話ししましたので、今回は整頓についてお話ししましょう。
整頓とは、必要なものを誰でもすぐに取り出せることです。
ということは、取り出すことはできるけれども、現場を熟知している人に頼まないと必要なものを取り出せない場合は、整頓できているとは言えません。
また、誰でも取り出せるけれども時間が掛かる場合も、整頓できているとは言えません。
一般的に、加工食品の物流センターでは商品アイテム数で3,000~5,000SKUを在庫管理していますが、ベテラン作業者でないと商品を探すのに時間が掛かるとか、ロケーション設定がされていて誰でも商品をピッキングできるけれども、倉庫の奥の方にあるため運搬時間が掛かるといった場合は、整頓できていない訳です。
製造現場においても、忙しいからといって一度に多くの部品を手元に運搬してきて、加工の手元に引き寄せるのに移動が発生する場合も、整頓できていない状態です。
JISの定義に、主作業・付随作業・付帯作業があります。
整理整頓するってことは、このうちの主作業の割合を可能な限り多くするということなのです。
主作業:価値のあるもの
付随作業:価値はないが、主作業を行うために規則的に繰り返してやむを得ず発生するもの
付帯作業:運搬や移動など
JISで言うところの主作業の割合が最大限に多いことが整頓できているってことです。
付随作業はなくすことはできませんが、短縮する、割合を最小にするように心がけます。
また付帯作業は機械化などによりなくすことを考えます。そのうえでどうしても無くせないのであれば、最小化するように取り組みます。
つまるところ、主体作業以外はお金を生んでいるわけではないので、顧客が支払うのは主作業の価値に対してですから、整理整頓は会社が儲かるための基本となります。
整頓は人の動きを考えて、主作業の割合が高くなるよう取り組むことなのです。
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