収益性とは〈経営コンサルティング〉

コンサルタントが中小企業の経営者に以下のような質問をします。
「儲かっているかどうかはどのようにして判断しますか?」

皆さんはどう答えますか。
「売上がいくらで、それに対して利益がいくらかで判断する」と答える経営者が、私の経験からですと10社中8社です。
つまりほとんどの経営者は売上高対利益率で儲かっているかどうかを判断しているのです。

先日も顧問先においてもそのような返事が返ってきました。
厨房に什器を据え付けると100万円掛かるので投資するのは見送ったとのこと。
でも、100万円の費用を掛けて、その結果作業導線が短縮して生産性が高まったり、あるいは、労務費が5万円/月削減できた場合、その効果は十分投資に見合うものになります。

儲けを判断する、収益性を判断するのに最も適している指標は、
投下資本利益率なのです。
100万円の費用を掛けて5万円/月にコスト削減できたなら、投下資本利益率は
5万円×12月÷100万円=60%
となります。
資本回収期間は1.67年ですので、目先の費用に拘ることなく費用を掛けるべきでしょう。

そもそも、投下資本利益率とは、経営そのものを指しています。
経営とは、資金を調達(貸借対照表の貸方)してその資金で必要な資産を購入(貸借対照表の借方)する。そして入手した資産を有効活用して売上を獲得すると共に、その過程で必要な費用は掛けるが不要な費用は排除することで、利益を生む過程を言います。
よって投下資本利益率は、まさに経営そのものを表しています。
儲かっているかどう、かしっかり判断していきましょう。
challenge_costdown[1]

関連記事

コア人材を育成する〈経営コンサルタント〉

経営改善や業務改善など改善活動を行うに当たって、重要になるのは人材だ。 それは当たり前の事ではある

記事を読む

信頼づくりのヒント〈経営コンサルティング〉

社員と経営者の間で、あるいはリーダーとチームメンバー間で、信頼のベースを作るために簡単にできることが

記事を読む

改善のコンサルで感じることそれは…〈物流コンサルタント〉

製造業や運送業、いわゆるハード系のコンサルが中心に活動しています。 その中で、支援すると改善活

記事を読む

知っていることと知恵との違い〈経営コンサルタント〉

経営改革、組織改革、業務改革をコンサルする時、いつも気を付けていることがある。 それは知識と知恵の

記事を読む

改善活動を行う理由〈経営コンサルタント〉

製造業や運送業に経営コンサルティングを行っている。 特段、この2業種に限定しているわけではない。コ

記事を読む

在庫施策を考える際には〈物流コンサルタント〉

製造業や卸売業、あるいは3PLを展開する運送業において、物流センターや倉庫で、どのように在庫を管理す

記事を読む

出荷作業の改善〈物流コンサルティング〉

岡山県内にあるABC物流センターで、物流業務の効率化コンサルティングを行ってから1年が経過しました。

記事を読む

生産性を高める〈物流コンサルティング〉

物流センターにおける作業時間を削減したいというニーズは多くあります。 人的リソース(経営資源)

記事を読む

今回のセミナーでお伝えしたかったこと〈経営コンサルタント〉

昨日、岡山県の笠岡商工会議所でセミナーを開催しました。 「必ず役立つ!経営の数字講座」という演

記事を読む

物流改善プロジェクトの目標を明確に〈物流コンサルティング〉

物流コンサルタントとして、物流改善プロジェクトを進めるに当たってはその目的を明確にします。 プ

記事を読む

コンサルタント事例×お客様の声
PAGE TOP ↑