物流マンのやる気を引き出す2〈物流コンサルティング〉
前回は物流マンのやる気を引き出すために必要な仕組みについて、その概要をお話ししました。
多機能化した運送業において、多様な従業員をモチベーション高く働いてもらうためには、
①目標を設定すること
②評価すること
③評価サイクルを回すこと
が大切とお話しました。
今回はより具体的に、この人事評価システムについてお話しします。
物流マンが勤める運送業では、人事評価システムそのものが無い、あるいはあっても機能していないことが非常に多いです。
その点、製造業やサービス業では人事評価システムを生かして従業員を「育てる」といった意識があります(業績の良い会社ほどそうです)。
ですので、まずは運送業者の皆さんには、人事評価に対する認識を改めることをお勧めします。
では目標はどのように設定するのが良いかについて、お話しします。
人事評価システムを生かしている人材育成に成功している運送業は、目標を上手に設定しています。
目標=評価項目は、会社が従業員に対して発するメッセージですので、選定を誤ると効果は期待できません。
そして評価項目は多すぎると混乱しますので、細かく点数をつけるような評価表ではなく、シンプルな評価表が望ましいです。
次に、どのように評価するかですが、従業員自身にも自己評価してもらいましょう。
そのうえで、上長も評価して面談して伝えます。評価対象期間も半期毎とか四半期毎にして、面談する頻度を高めるようにしましょう。
面談時のポイントは、率直に、そして正直に話し合うことです。言いにくいことでも、お互いに向き合って胸襟を開いて対話する、これにつきます。
目標を設定して評価し対話して伝える、話し合い、次回面談時までの目標を決める。少しづつ目標を高めていき仕事のマンネリを防いでいき、向上心を維持するのです。
このサイクルを回しつつ、褒賞に繋げることで物流マンのモチベーションを高めていきましょう。

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