社長の仕事は働きたくなる環境づくり〈経営コンサルタント〉
経営コンサルタントとして経営者を支援する中で、感じることがある。
それは、、、
成長過程にある企業の、あるステージに上った際に立ちはだかる壁の存在と、その壁を如何に克服するかということである。
事業規模は小さい時、あるいは創業して数年は、トップががむしゃらに頑張って事業を軌道に乗せ業績を拡大していく。
だが、一定の規模に到達すると成長の壁にぶち当たり、例えば、社員が離反し退職したり、幹部社員がヒラメのように指示待ち社員になったりする。
一定の成長ステージに到達すると、トップは「マネジメントのあり方」を自ら変革する必要があるのだ。
創業時からのマネジメントや業績低迷を脱却する際のマネジメントは、トップの率先垂範,社員への指示命令によるところが大きいが、次のステップでのマネジメントは、「社員が働きたくなる環境づくり」になる。
そこに、トップは自身の時間と労力を注ぎ込むべきである。
ハーズバーグの行動科学論で、動機づけ・衛生理論がある。
・動機づけ理論=承認,仕事そのもの,仕事への責任,権限委譲,昇進,達成感…
・衛生要因=給与,人間関係,職場環境,管理監督術…
社員が働きたくなる環境づくりというと、金銭的報酬を思い浮かべるかもしれない。
確かにそれも一つの「働きたくなるもの」かもしれないが、「薄さ」を感じるのだ。
例えば、受注案件において価格でとった仕事は他社が安ければそっちに流れてしまうように、給料が良いから勤める社員は、より多くの給料を弾んでくれる会社があればその会社に転職するだろう。
だから真の「働きたくなるもの」は、給料の高い安いでなく、仕事そのものや承認,権限委譲のような動機づけ要因にある。
そのためには、経営者,トップには忍耐が必要だ。
どれだけ社員を信じて任せることが出来るか、ふところの深さが問われる。
如何に社員の皆に「自分の仕事」だと思ってもらえるか、「社長のため」でなく「仲間のため、自分のため」と思ってもらえるようにするか。
そんな悩みを抱えながら良い経営者になろうとガンバっているトップを、トコトン支援したいと思う。
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