その仕事なくせないか、を考える〈物流コンサルティング〉
物流コンサルタントとして、既存の物流センターの業務改善をお手伝いする機会が多いわけですが、その際の改善のポイントは「もっと楽になろう」と考えることだ。
ある物流センターでは、ダブルの仕事が発生していた。
ここで言う「ダブル」とは、自社内だけでなく顧客も含めての話である。
長い間仕事のしていると惰性、慣習、なれ合いの類が出てくるものだ。
この物流センターではまさにそのような状況であった。
一般に注物流センターの運営は受注締切り時間設けて運用している。
この物流センターでも通常の受注はEDIで行っているが、追加オーダーについてはFAX受注となっていた。
でもこれもよくある話ではある。
調査してみると、クライアントから顧客に届いた発注書が自動転送されて、この物流センターにも発注書が届く仕組みになっていた。
なぜこのようになっているのか?
当初は出荷処理を早く済ませるためイレギュラー対応してものでも、経年と共に形骸化してしまうことや、仕組みとして不詳しくない場合も出てくるものだ。
顧客はクライアントに納品書や請求書を発送するため、FAX受注しても手入力している。
一方の物流センター側でも、エクセルシートに手入力して簡易なピッキングリストを作成して作業者に指示を行っていた。
まさに「その仕事なくせないか」である。
顧客に依頼して発注書のFAX自動転送は中止してもらうと共に、顧客側で少しばかり早めに受注画面に入力後、物流センターに出荷依頼データとして通常のEDI経由で送信してもらう仕組みに変更した。
改善の基本は
①その仕事、なくせないかを考える
②その仕事、ほかの仕事と同期化できないかを考える
③その仕事と他の仕事の順番を入れ替えてみてはと考える
④もっとシンプルに考える
といったことだ。
皆さんは惰性、慣習になっている仕事ありませんか、それは価値を生んでいますか?
関連記事
-
信頼づくりのヒント2〈経営コンサルティング〉
チームの信頼関係を構築することの2つ目のヒントに、「聴く」があります。 皆さんはチームメンバー
-
物流改善プロジェクトを立ち上げる〈物流コンサルティング〉
物流改善には様々なテーマがあります。 例えばですが、物流コスト削減であったり、物流サービスレベ
-
整理整頓の勧め 4〈経営コンサルタント〉
整理整頓が組織に根付かないという声を顧問先から聴くことがあります。 なぜ整理整頓が定着しないの
-
運輸業の経営改善〈経営コンサルタント〉
運輸業、いわゆるトラックを保有し輸送や配送を行っている一般貨物自動車運送業者は、社数にして全国で57
-
物流改善プロジェクトの目標を明確に〈物流コンサルティング〉
物流コンサルタントとして、物流改善プロジェクトを進めるに当たってはその目的を明確にします。 プ
-
数字で経営を掴む(経営コンサルティング〉
製造業や運送業の経営コンサルティングをしている時、どんな現場であっても、数字で経営の実態を把握すると
-
整理整頓の勧め〈経営コンサルタント〉
現場改善を進めるうえで、まず行うべきことがあります。 それは整理整頓です。 整理とは、い
-
社員に関心を持つ〈経営コンサルタント〉
弊社は、製造業の現場改善や経営革新改善をコンサルティングしている。 経営者がどれくらい社員に関
-
売上や利益を高めるために〈経営コンサルタント〉
業績を改善させるためにどんなことを行っていますか? ・新しい仕事に取り組む ・既存のお客さん
-
知っていることと知恵との違い〈経営コンサルタント〉
経営改革、組織改革、業務改革をコンサルする時、いつも気を付けていることがある。 それは知識と知恵の
- PREV
- 決められない病から脱却する〈経営コンサルティング〉
- NEXT
- 生産性を高める〈物流コンサルティング〉