裸の王様〈経営コンサルタント〉
経営コンサルタントとして独立して5年目になる。
その間、製造業・運送業を中心に、様々な課題を抱えるクライアントを支援してきた。
なかでも、「私の代わりに社長に言ってほしい」と社員から依頼されることがある。
社員からは言いにくいので、コンサルタントの口を借りて伝えたい、代弁して欲しいということである。
なぜそのような事態に陥ってしまうのだろうか?
社員が社長に話し難い、報告し難い環境を作ってしまっていることに、社長は全く気付いていないのだ。
・あなたは、社員が悪い報告をしてきた際、どんな対応をしているだろうか?
つい感情的になり報告者を責め立てていないだろうか?
声を荒げて対応策を指示していないだろうか?
これでは社員は悪い情報を社長に報告しなくなる。部下は責められると保身を考えるようになるので、耳障りな情報は社長に上がらなくなる。
「ありがとう、早めに報告してくれたお蔭で対応できそうだ」と報告者に感謝するくらいの器を持ちたいものだ。
そうすれば、悪い情報も素早く上がってくるようになる。
・あなたは、社員に報告の機会を与えていますか?
トップであるあなたが忙しく動き回っていると、社員は報告機会を失ってしまう。
話しやすい環境、雰囲気を社長が醸成しないと、悪い報告はトップに上がってこないものだ。
社長は時間を確保して、報告を受ける定期的な場を設けることが必要だ。
また現場に足を運び社員に気軽に声を掛けて、聴くチャンネルを多様に持つことを心がけたい。
そうすることで、「裸の王様」を回避できるから。
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