裸の王様〈経営コンサルタント〉
経営コンサルタントとして独立して5年目になる。
その間、製造業・運送業を中心に、様々な課題を抱えるクライアントを支援してきた。
なかでも、「私の代わりに社長に言ってほしい」と社員から依頼されることがある。
社員からは言いにくいので、コンサルタントの口を借りて伝えたい、代弁して欲しいということである。
なぜそのような事態に陥ってしまうのだろうか?
社員が社長に話し難い、報告し難い環境を作ってしまっていることに、社長は全く気付いていないのだ。
・あなたは、社員が悪い報告をしてきた際、どんな対応をしているだろうか?
つい感情的になり報告者を責め立てていないだろうか?
声を荒げて対応策を指示していないだろうか?
これでは社員は悪い情報を社長に報告しなくなる。部下は責められると保身を考えるようになるので、耳障りな情報は社長に上がらなくなる。
「ありがとう、早めに報告してくれたお蔭で対応できそうだ」と報告者に感謝するくらいの器を持ちたいものだ。
そうすれば、悪い情報も素早く上がってくるようになる。
・あなたは、社員に報告の機会を与えていますか?
トップであるあなたが忙しく動き回っていると、社員は報告機会を失ってしまう。
話しやすい環境、雰囲気を社長が醸成しないと、悪い報告はトップに上がってこないものだ。
社長は時間を確保して、報告を受ける定期的な場を設けることが必要だ。
また現場に足を運び社員に気軽に声を掛けて、聴くチャンネルを多様に持つことを心がけたい。
そうすることで、「裸の王様」を回避できるから。
関連記事
-
チーム編成〈物流コンサルティング〉
物流コンサルタントとして物流改善に取り組んでいくとき、大型物流センターの場合、プロジェクト内でもチー
-
ビジョンを実現するために〈経営コンサルタント〉
社員を未来に導いていくにはどうすればいいだろうか? 未来に目線を向けさせるためには? 日頃仕
-
物流作業の生産性を高める1〈物流コンサルティング〉
物流作業の生産性を高めるためには、何に取り組めばいいでしょう? このようなことを検討する場合には、
-
物流センターで取り組む業務〈物流コンサルティング〉
岡山にも拠点がある運送会社の物流センターでは、保管,在庫管理業務として、取引先工場の製品だけでなく仕
-
信頼づくりのヒント〈経営コンサルティング〉
社員と経営者の間で、あるいはリーダーとチームメンバー間で、信頼のベースを作るために簡単にできることが
-
数字で経営を掴む(経営コンサルティング〉
製造業や運送業の経営コンサルティングをしている時、どんな現場であっても、数字で経営の実態を把握すると
-
分かったつもりになるな〈経営コンサルティング〉
製造業や運送業の現場改善をする際に、机上だけで取組ことは業績改善につながりません。 当たり前の
-
知っていることと知恵との違い〈経営コンサルタント〉
経営改革、組織改革、業務改革をコンサルする時、いつも気を付けていることがある。 それは知識と知恵の
-
収益性とは〈経営コンサルティング〉
コンサルタントが中小企業の経営者に以下のような質問をします。 「儲かっているかどうかはどのようにし
-
売上拡大のために〈経営コンサルティング〉
売上を向上するために、皆さんはどのような取組をしていますか? 部下にはっぱをかけて、顧客になり
- PREV
- 社員に関心を持つ〈経営コンサルタント〉
- NEXT
- 在庫施策を考える際には〈物流コンサルタント〉

