5Sは人材育成の基本〈物流コンサルタント〉
運輸運送業において、クライアントである荷主企業から物流業務を一括して請け負う、いわゆる3LPという業態がある。
弊社は、このような運輸運送業の3PL化をコンサルタントとして支援したり、あるいは、既に行っている3PLの効率化を支援している。
ある運送業において新規に3PLの立ち上げを支援した。その時の話をしてみよう。
その物流センターは荷主企業が自社運営している物件を、アウトソーシングするに際して受注したものであり、受注に向けてコンサル支援した。
規模は約2,000坪である。
荷主企業の意向で、一部の従業員を引き継ぐ必要があったため、文化や考え方の融合が重要であった。
アウトソーシング先に移転する従業員にとっては釈然としない気持ちもあったのだろう、職場の士気も低下していた。
そこで、3PLとして受注した運送業者の幹部社員が最初にしたことは、ほうきとちり取りを持って物流センター内を歩き回ることだった。
毎日毎日、現場を歩き回り整理整頓、清掃していく。その都度、従業員と接し話しかける。
・今どんなことに困っているかな?
・この商品って長い間動いてないんじゃない?ほこりが溜まっているし。
・その商品は毎日入庫処理があるけど、保管場所不便じゃない?
・どこに保管したら便利?もっと楽に仕事ができそうかな?
→こっちの棚が便利かも。
・そうだねぇ、じゃやってみようか?
→入庫ロットの見直しってできますか?
・いいね!すぐに提案事項として顧客に依頼してみよう。
現場を歩き回っていれば、自然と従業員との対話も弾むものだ。
整理整頓をはじめとする5Sは人材育成の機会なのです。
ほうきとちり取りを持って現場を歩き回っていると、日々物流センター内で起きている出来事、今現場が抱えている問題点や困りごとが見えてくるものだ。
それは2,000坪でも、5,000坪でも同じことであり、規模の大小には関係ない。
経営幹部は現場に行くべきだ。あなたのスケジュール帳には「現場」の文字がありますか?
現場にこそ宝の山があるのだ。
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