お客さんに買ってもらうには2〈経営コンサルティング〉

前回は消費者の購買プロセスをみながら、誰にマーケティング活動を展開するかを検討しました。
では設備機器やITシステムなどの産業材を販売する企業の場合をみていきましょう。

消費者の購買行動は個人としての意思決定ですが、企業の購買行動は組織としての意思決定です。したがって、その購買プロセスは複雑ですし、それ故にある一定のルールに従って行われます。
例えば、稟議の手続き,仕様書による見積,発注書による発注など。
また、合意による購買意思決定ですから、合理的に判断して購入する製品やサービスが決まります。

営業担当者はその点を理解して、顧客である企業に対して営業する必要があります。
購買プロセスにつながりを持つよう、日頃から心がけていますか?
窓口の担当者とだけコンタクトしていませんか?
その上長である部課長、担当役員、経営者とつながりを持つよう心掛けていますか?
例えば、盆暮れには上層部と面談していますか?
中元や歳暮を郵送で届けるだけですか??持参すれば挨拶できる機会はありますよね。
年始の挨拶って役員やトップとも面談しやすいですよね。

企業の購買プロセスが複雑ならそれに絡むことが出来る複数の経路を持ちましょう。
そのために、日頃からそのような接点を心がけるのです。

企業は合理的な意思決定をするってことは、ベネフィットを訴求するように心がけることが重要ですよね。
個人である消費者ならその時の気分で買ったり買わなかったりもあるでしょうが、企業の購買を決める場合、そのようなことはありませんよね。
あくまでも合理的に。損得で購買を決める。

その場合の損得って、価格が高い、安いってことでしょうか?

違いますよね!!

(1)製品Aは500万円だが、それを使って20万円の利益がある。
(2)製品Bは600万円だが、それを使って120万円の利益がある。

この場合、どっちが損でどっちが得でしょう。
当たり前ですが(2)の製品Bの方を買った方が得ですよね。

どれだけの費用が掛かって、どれだけの利益が見込めるのか、この両面をみないと損得は判断できません。
つまりベネフィットで判断することで、損得が分かる。

皆さんの会社の営業担当者は、ベネフィットを顧客に提案できていますか?
service_costdown[1]

関連記事

売上拡大のために〈経営コンサルティング〉

売上を向上するために、皆さんはどのような取組をしていますか? 部下にはっぱをかけて、顧客になり

記事を読む

キーマンを取込め〈経営コンサルタント〉

経営革新改善活動をコンサルティングするに当たって、まずは「キーマンが誰か」を確認するようにしている。

記事を読む

物流総合効率化法の改正〈物流コンサルティング〉

2月に物流総合効率化法が改正されてから、物流業界では様々な動きが出てきている。 東京都多摩地区

記事を読む

5Sは人材育成の基本〈物流コンサルタント〉

運輸運送業において、クライアントである荷主企業から物流業務を一括して請け負う、いわゆる3LPという業

記事を読む

整理整頓の勧め〈経営コンサルタント〉

現場改善を進めるうえで、まず行うべきことがあります。 それは整理整頓です。 整理とは、い

記事を読む

裸の王様〈経営コンサルタント〉

経営コンサルタントとして独立して5年目になる。 その間、製造業・運送業を中心に、様々な課題を抱

記事を読む

物流作業改善〈物流コンサルティング〉

運送業の中には輸配送だけでなく、取引先である製造業の工場内で出荷業務を請け負っている運送会社がありま

記事を読む

お客さんに買ってもらうには〈経営コンサルティング〉

自社が提供する商品やサービスを顧客に買ってもらうためには、どうすればいいでしょうか? 飲料や化

記事を読む

収益性とは〈経営コンサルティング〉

コンサルタントが中小企業の経営者に以下のような質問をします。 「儲かっているかどうかはどのようにし

記事を読む

物流作業の生産性を高める4〈物流コンサルタント〉

物流作業の生産性を高めるためには、何に取り組めばいいでしょう? 前回はフリーロケーションの活用につ

記事を読む

コンサルタント事例×お客様の声
PAGE TOP ↑